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2015.07.15
世界から注目の集まる「京野菜」のおいしさの秘密は!?
日本を代表するブランド野菜と言えば、京野菜。世界の野菜を栽培していることで有名なフランスのベルサイユ宮殿でも、日本の野菜としては初めて栽培され、現在では、世界的にも知られるブランド野菜となっています。そんな京野菜のおいしさの秘密に迫ります。
京野菜

京都府認定の「京の伝統野菜」と「ブランド京野菜」

京野菜の厳密な定義はないと言われていますが、京都府が認定している「京の伝統野菜」、公益社団法人 京のふるさと産品協会が認定している「ブランド京野菜」の2つに該当する野菜が、一般的に“京野菜”として知られていて、それぞれ異なる基準で選ばれています。

京の伝統野菜として指定されているのは現在37種類(絶滅した2種を含む)。一方、ブランド京野菜のほうは20種類。ただし、基本的には京都府内で取れる野菜はすべて京野菜になるんですね。

京野菜には、えびいも、聖護院だいこん、聖護院かぶ、くわい、花菜、壬生菜、堀川ごぼう、京せりなどがあり、春・夏が旬の京野菜といえば、京たけのこ、伏見とうがらし、万願寺甘とう、賀茂なす、京山科なす、鹿ケ谷かぼちゃ、京こかぶですね。

京野菜に限りませんが、旬の食材にはその時期にあった効能があります。
例えば、寒い時期に収穫できる野菜には体を温める働きが。暑い夏に収穫できるものには体を冷やす働きがあります。春が旬の野菜は冬に溜め込んだ体内の毒素を排泄。たけのこやふき、セリなどに独特の苦みがあるのはそのため。

自然の力って本当にスゴイなぁと感心しますよね。こうして旬の意味を知ると“大地の恵み”に感謝、感謝です。なので、健康や美容を考えたら“旬”の味覚をもっと積極的に食卓に取り入れないと、勿体ないですよね。

揚げても煮ても美味しい春・夏を代表する京野菜

≪京たけのこ≫
京たけのこ
話を京野菜に戻しますが、春・夏を代表する旬の京野菜にはこんな効用や特徴があります。
春を代表する約300年の歴史がある京野菜。食物繊維だけでなくカルシウムや亜鉛、体内の老廃物を排出してくれるカリウムも豊富。えぐ味が少なく、歯触りが良く肉厚で柔らかく、若竹煮や天ぷら、炊き込みご飯、田楽、刺身など幅広く楽しむことができます。
≪万願寺甘とう≫
万願寺甘とう
舞鶴市にある万願寺地域で栽培されたことから名付けられたと言われ、長さ15cmほどある大型品種。肉厚でボリュームがあり、種が少なく甘くて柔らかく煮物や揚げ物、焼き物などに。食物繊維とビタミンCが豊富で、特有の風味には血液サラサラ効果があります。
≪賀茂なす≫
賀茂なす
1個250~300gほどもある大型品種。丸い形とつやつや光る質感で「なすの女王」と呼ばれる京野菜。肉質は緻密でギュッと身が締まっているため煮崩れしにくく、歯ごたえも良いので揚げ物にも。ビタミンCが豊富なので夏バテ対策の食材です。

この他にも、春・夏が旬の京野菜には、鹿ケ谷かぼちゃ、京山科なす、伏見とうがらしなどがあります。

旬の野菜の旨味と栄養価を裏付ける京都独特の気候と環境、技の継承

実は、京野菜には旬の野菜が持つパワーを裏付ける大きな特徴があるんです。
それは、一級河川の鴨川や桂川、豊富な地下水などの良質な水と腐植質を豊富に含んだ肥沃な土、盆地特有の底冷えの冬と夏の猛暑という気候。こうした作物にとって良い条件で栽培されていることで、ビタミンやミネラルなどの栄養価が高いという点が大きな特徴です。

また、京野菜をおいしくしているもう一つの理由が“技の継承”。
京野菜の歴史は古く1200年前に遡ります。京都の中でも地域によって作る時期や作物は異なりますし、その年、その時期によって雨の量や夏の暑さなども異なります。

何代にもわたり自然と向き合いながら、同じサイクルで、同じ作物を育ててきました。だからこそ、こうした年毎に変化する気候に合わせ、もっともよい方法で育てる術を知っているんですね。まさにそれこそが京野菜のおいしさの秘密なんです。ぜひ、みなさんもこうした京都の伝統の味を堪能してみてはいかがでしょうか。
薬膳アドバイザー/風土(FOOD)ライター 川端真弓
画像提供:公益社団法人 京のふるさと産品協会
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