Topsankaku生産者も消費者も、みんなが一…
2015.07.11
生産者も消費者も、みんなが一つとなって守る金沢伝統の味・加賀野菜
加賀野菜

加賀藩の時代から作り続けられてきた伝統野菜

京野菜に比べ耳慣れない「加賀野菜」。でも、大手コンビニのセブンイレブンでおでんをよく買う方なら「源助だいこん」はご存知のはず。そうなんです。あの源助だいこんは、煮崩れしにくいのに柔らかく歯ざわりがよい煮物用大根として評判の加賀野菜なんです。

加賀野菜の定義は、昭和20年以前から栽培され、現在も主として金沢で栽培されている野菜のこと。その歴史は京野菜と同じく古く、江戸・加賀藩の時代から続いている伝統野菜です。

ただし、「加賀野菜」としてブランド化されたのは最近のこと。生産農家が減っていく中で、野菜は一度種が絶えてしまうと再び生産することができないことから、危機感を抱いた種苗家や篤農家たちが中心となって、1992年から加賀野菜を復興させる取り組みがスタート。

こうした活動を「種子選抜」「技術支援」という形で後方支援してきた金沢市と生産者、消費者、流通業者、農業団体などが一体となって発足したのが「金沢市農産物ブランド協会」。この協会の定義にもとづく野菜の中から15品目が加賀野菜として認定されたというわけです。

秋冬野菜が多い加賀野菜の中で春・夏が旬の加賀野菜とは?

加賀野菜として認定された15品目には、打木赤皮甘栗かぼちゃ、五郎島金時(さつまいも)、源助だいこん、二塚からしな、加賀太きゅうり、金時草、加賀つるまめ、へた紫なす、加賀れんこん、金沢一本太ねぎ、たけのこ、せり、赤ずいき、くわい、金沢春菊があります。

秋・冬が旬のお野菜が多いのですが、その中でも春を代表するのがたけのこ、夏を代表するのがへた紫なすです。他には加賀太きゅうり、打木赤皮甘栗かぼちゃ、加賀つるまめ、金時草、赤ずいきがあります。
≪加賀太きゅうり≫
加賀太きゅうり
「これって瓜?」と見間違えるほどの大きさで、別名「ジャンボキュウリ」と呼ばれるほど。1本の重さが1キロ近くなるものも。カリウムが豊富なのでむくみ防止効果があると言われています。水分が多く肉厚で柔らか。料理の際は種を取る必要があり、煮たり炒めたりと加熱料理に適しています。
≪打木赤皮甘栗かぼちゃ≫
打木赤皮甘栗かぼちゃ
まるで玉ねぎを大きくしたような形で独特の橙色。ホクホクしている南瓜より水分が多くて粘質で甘みもあり、果肉の鮮やかな色が料理に彩を添えてくれます。β-カロテンが豊富なので目の疲れや風邪予防にも。煮物や揚げ物、炊き込みご飯など広く楽しめます。
≪ヘタ紫なす≫
ヘタ紫なす
光沢があり卵形をした大きさは5㎝ほどの小型品種。別名「キュッキュッナス」と呼ばれています。日持ちが良く、皮は薄く果肉が柔らかで甘味があり、煮物や漬物に最適。カルシウムと鉄分が豊富で陰干ししたヘタを煎じて飲むと咳止め効果があると言われています。

霊峰白山のキレイな水と変化に富んだ気候+αがおいしさの秘密!

加賀野菜が生まれた石川県は、日本海に面し海の幸、山の幸が豊富な地域。その中央に位置する金沢市には霊峰白山を源とするキレイな水が流れ、変化に富んだ気候という自然の力と農家の方々の苦労が相まっておいしい野菜を作り出してくれています。

京野菜もそうですが、こうした伝統野菜の陰には大自然のパワーとたくさんの方々の苦労や想いが込められているんですね。そう思うと、食べ物を残すのは実に申し訳ないこと。

昔の人はよく、お茶碗にご飯粒を残す子どもたちに「お百姓さんが汗水たらして作ったんだから、米粒ひとつ残さず食べろ!」と叱ったものですが、まさにその通り。食事の際は、大地の恵みに感謝して「いただきます(頂戴します)」の心を忘れないようにしたいものですね。
薬膳アドバイザー/風土(FOOD)ライター 川端真弓