Topsankaku和食の名店・達人sankaku旬な日本料理人4人が語る「和…
2015.12.21
旬な日本料理人4人が語る「和食の魅力」【前編】
12月6日(日)に東京・丸の内の丸ビルホールで開催された、日本料理人によるパネルディスカッション「『和食っていいね!』と言われたい 和食の魅力 Part.3これからの和食」。このイベントで国内外で活躍する旬な日本料理人4人が登壇し、和食の未来やこれからの和食について熱く語ってくださいました。
和食に精通した4名が後世に「伝えていきたい和食」について紹介します。
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東西の旬な日本料理人が集結

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パネリストとして登場したのは、京都「木乃婦(きのぶ)」三代目・髙橋拓児(たかはしたくじ)さん、京都「美山荘(みやまそう)」四代目・中東久人(なかひがし ひさと)さん、京都「瓢亭(ひょうてい)」十五代目・髙橋義弘(たかはしよしひろ)さん、「近茶流嗣家(きんさりゅうしか)・柳原料理教室副主宰」柳原尚之(やなぎはらなおゆき)さん。そしてコーディネーターのフードビジネスコンサルタント・柿澤一氏さんです。
料理人4名はミラノ万博「ジャパン・サローネ」キッコーマン・イベントにも参加し、イタリア・ミラノで日本料理を振る舞ってきたそう。 まずは、そのイベントの様子を話してくださいました。

ミラノ万博「ジャパン・サローネ」でワークショップを開催

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ミラノ万博にあわせて官民が連携し、日本の魅力を発信することを目的にミラノ市内に設置された、日本館第二の拠点「ジャパン・サローネ」では、「和食の魅力」を紹介するためのワークショップが開催されました。

そこで包丁さばきの実演をした木乃婦の髙橋拓児さんは、50gのしょうがを使って針しょうがを作り、和食を説明したそう。
海外のシェフが切ると約250本ですが、髙橋さんが切ると9倍の約2250本になるそうです。
その2つを「見て触って、違いを感じてもらった」と話していました。 そして、食材に合わせてさまざまな包丁を用意する大切さも伝えてこられたようです。

骨切りを披露した美山荘の中東久人さんは、包丁の扱いを味に活かすことについてを。
ハモの骨切りは3㎝に24本包丁を入れるのだそう。
それによって、食べにくい魚が美味しく食べられるようになる包丁さばき、日本人が考え出した知恵について説明されていました。

瓢亭の髙橋義弘さんは日本の生食文化を代表する料理として寿司を作られました。
塩をふることで水分を抜いてうま味を出す、酢でしめて殺菌するなどの知恵について話されてきたようです。

近茶流嗣家の柳原尚之さんはかつらむきした大根を網目状に切った飾り切りを披露されました。
そして刺身に添えられる大根やシソなどの“ツマ”には、飾りとしての役割だけでなく、 殺菌効果や胃腸を守る作用があることを話され、日本に生食文化が根付いた理由を伝えてこられたようです。

伝えたい和食 髙橋拓児編

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髙橋拓児さんが伝えたい和食は「おから」。 「てまひまをかける」大切さ、誰かを思って作ることが重要なのだと話していました。 時短料理も良いけれど、時には「落ち着いて料理を作って食材の良さも感じてもらいたい」とのことです。
作る際のポイントはおからを炒りつけてカラカラにすること。 すると、だしとおからのしぼり汁がよく染みわたった優しい味わいのおからが完成します。
髙橋拓児さんの「おから」
材料:4人分
おから 200g
水 200ml
にんじん 60g
生しいたけ 4枚(50g)
さやいんげん 8本(40g)
太白ごま油 少々
だし 400ml
キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて うすくち生しょうゆ 30ml
マンジョウ 本みりん 30ml

作り方
① にんじんは5㎜角に切る。しいたけは5㎜幅に切り、横にして2㎜幅に刻む。 さやいんげんは斜めに5㎜幅に切る。
② おからに水200mlを入れてよく洗い、カスを取り除き、布巾でよく絞る。 絞り汁は後で使うので残しておく。
③ フライパンにごま油をひき、にんじん、しいたけを焦げないように炒め、一度、取り出す。
④ ③のフライパンにごま油をひき、②のおからをほぐしながら、汁気が飛ぶまで焦がさないように炒める。
⑤ ④にだしと②のおからの絞り汁を入れ、火にかけて沸いたら、にんじん、しいたけを入れ、もう一度沸かし、うすくちしょうゆ、みりんを入れ、 にんじん、しいたけに味がしみ込んだら、さやいんげんを入れて、火を通して仕上げる。

伝えたい和食 中東久人編

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中東久人さんが伝えたい和食は「身欠き鰊と茄子のオランダ煮」。 これは中東さんが幼いころに食べていたおばあさまの味なのだとか。
同じ季節に旬を迎え、食材同士の相性が良い「であいもん」の代表である“にしん”と“なす”を合わせた、心がこもった料理です。 この「であいもん」は美味しいだけではなく、人間の体に作用する物質がきちっと合わさって、必要なものが吸収されていくのだそうです。
中東久人さんの「身欠き鰊と茄子のオランダ煮」
材料:4人分
なす 4本
ソフト身欠きにしん 2本
おろししょうが 10g
マンジョウ 料理の清酒 適量

マンジョウ 料理の清酒 250g
キッコーマン 特選丸大豆しょうゆ 55g
砂糖 50g

揚げ油 適量
木の芽 16枚

作り方
① 身欠きにしんの腹の骨と、背ヒレなどもあえばとりのぞき、適量の酒で洗う。
② ①の身欠きにしんとおろししょうがを、ポリ袋等に入れ、空気を抜き、よくなじませ、24時間おく。
③ 酒250gを火にかけて煮切り、しょうゆ、砂糖と合わせて地をつくり、バット等に②のにしんと地を入れて、 ラップフィルムをして、約120分蒸す。
④ なすは包丁目を入れ、水に落とし、よく水気を取る。
⑤ ④のなすを揚げ油でしっかりと揚げ、油気をキッチンペーパーなどである程度取り、鍋に移し、③のにしんと煮汁を加える。
⑥ ⑤を火にかけて、沸いてきたら弱火にし、しばらくコトコトと炊く。炊き上がったら、常温で粗熱を取る。
⑦ 器に盛りつけ、木の芽を添える。
海外でのワークショップで伝えられた和食の魅力は、私たちも見直していくべきことです。 忙しい現代では簡単・時短料理も大切ですが、時間をかけて大切な人たちと食べる料理を作ってみてくださいね。
後編はこちらから