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2016.09.26
地域によって特色あり!和食の名脇役「漬物」
一言で「漬物」と言っても、梅干し・ぬか漬け・福神漬けなど様々な種類があります。全国各地には遥か昔から脈々と受け継がれてきた漬物の文化があり、日本はまさに漬物大国と言えます。そこで、日本の食卓に欠かせない漬物の秘密に迫ってみました。
漬物

生きるために作られた保存食「漬物」

ご存知の通り、漬物は保存食の一種。食卓に彩りを添える漬物は元々、生きるための知恵から生まれたようです。
作物が取れない冬でも野菜が食べられるようにと考案されたのが漬物の元祖とのこと。ならば、漬物とは、その土地の気候と四季の変化によって生まれたものとも言えそうです。
ところで、食品はなぜ塩などに漬け込むことで長持ちするようになるのでしょうか。その答えは「浸透圧」の作用によるものなのだとか。
塩分濃度の高いところでは、食品を腐らせる雑菌は浸透圧によって体内の水分を奪われる為、死んでしまうか、著しく活動を制限されるそうです。浸透圧が雑菌から食品を守ってくれていたのですね。

冬の厳しい東北地方の漬物

東北地方は古くから漬物作りが盛んな土地。厳しい冬を乗り切るために様々な漬物が作られ、その製法と漬物を愛する文化が今に伝えられていると言われています。
野菜が収穫できない冬に備えて、東北地方では多くの漬物を作ってきたとのこと。 秋田の「いぶりがっこ」は干し大根が凍るのを防ぐために、燻してから漬物を作ったのが始まりなんだとか。 冬という試練があったからこそ東北の漬物は誕生したのですね。

気温の高い九州地方の漬物

気温の高い九州地方では、塩よりも発酵食品が副材料として好まれるのだとか。
温かい気候の下では発酵が促進されてしまうので、塩漬けの漬物は美味しく作れないとのこと。そこで、既に発酵食品として完成されている「しょうゆ」や「みそ」などを使って漬物を作るのだとか。 大分県の名産「吉四六漬け(きっちょむづけ)」も、もろみみそを使った漬物です。

漬物文化が根付いた京都の漬物

上品な味わいで多くの人に親しまれている京漬物。京都で漬物文化が発達したのは、京都盆地が海から遠くて海産物が得難いため、野菜づくりとそれを保存する技術が必要だったからなのだそうです。
海からの距離が京都の野菜づくりと漬物文化を発達させたとのこと。東北の寒さや九州の暑さと同様、土地の悪条件が文化を生むきっかけになることがあるのですね。

京漬物の背景に「聞香」あり

京都では室町時代に「聞香」が流行ったことも漬物文化が発達した理由の一つと言われています。聞香とは香木の香りをかいでその種類を当てるというもので、鼻の疲れを取るために漬物が用いられたのだとか。
漬物を「香の物」とも呼ぶのは、聞香において鼻をリセットするのに漬物を用いたためという説があるそうです。漬物の香りが意外な活躍をしたのですね。

日本と海外の漬物の違い

漬物は日本固有のものではなく、「ピクルス」、「キムチ」、「ザワークラウト」など、世界には様々な漬物があります。
どの国でも他の食品と相性の良い漬物が作られているとのこと。欧米ではパンや脂っこい料理と合わせるため酸味の強いものが多く、一方、日本ではごはんが進むような漬物が作られているそうです。ただ保存するだけでなく、海外でも漬物は食べやすいように工夫されてきたようです。

漬物専門「吉岡屋本店」

明治43年創業、築地場外市場にある吉岡屋本店は、奈良漬・江戸べったら・野沢菜など、日本全国の漬物が集まる漬物専門店。日本中の漬物が楽しめるお店です。約300種類もの色鮮やかな漬物が並んでいるので、目移りしてしまいそう。
お店情報
たくさんの種類がある漬物の中でも、特に人気なのは奈良漬け。タレントの勝俣州和さん一押しで、プロの料理人や飲食店関係者も吉岡屋本店の奈良漬けを買い求めているそうです。

保存の必要性から生まれ、ごはんに合うように工夫されてきた日本の漬物。地域によって多種多様な漬物が作られているので、ごはんをたっぷり炊いて、食べ比べをしてみたら楽しいかもしれませんね。