Topsankaku「ナポリタン」発祥の地は横浜…
2017.01.03
「ナポリタン」発祥の地は横浜? 意外と知らない日本生まれの洋食の歴史
ふだん何気なく食べている"洋食"ですが、実は日本で生まれたものも少なくありません。もともと外国から持ち込まれた料理が日本で独自の発展を遂げ、新しい食文化となった例は数多くあるのです。そこで、意外と知られていない日本生まれの“洋食”のルーツを紹介します。
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イタリア発祥ではない「ナポリタン」

スパゲッティをケチャップ(またはトマトソース)と、たまねぎ、ベーコンなどの具で和えた「ナポリタン」。名前に“ナポリ”と付いていますが、イタリア生まれの料理ではなく、横浜で誕生した料理です。アメリカ進駐軍の兵士たちが「ケチャップがけパスタ」を食べているのを見て『ホテルニューグランド』の総料理長が「ナポリタン」の原型を作り、横浜市中区の食堂『センターグリル』が世に広めたと言われています。
2009年に発足した「日本ナポリタン学会」は、イタリアのナポリで開かれていたイベントに「ナポリタン」の持ち込みを行いました。日本人の立場で言えば、海外で生まれた「ニホン○○」という名前の料理を出されるようなものでしょう。現地ナポリ市民の反応はどうだったのでしょうか。
イタリアにはパスタにケチャップを入れる習慣がなく、最初は敬遠されていた「ナポリタン」。しかし、いざ食べてみると“ボーノ”(美味しい)と好評を得ました。

イギリスから伝わった日本の「カレーライス」

カレーの故郷は言わずと知れたインドですが、日本の「カレーライス」はイギリスで西洋風にアレンジされたものが基礎になっています。日本陸海軍の軍用食となった「カレーライス」は、戦後、復員した兵士たちから一般家庭に伝わり、日本の食材に合わせて改良されていきました。
一説によると、日本で初めて国産の“カレー粉”を作ったのは、大阪の薬種問屋『今村弥(いまむらや)』。発売は明治36(1903)年で、当時は「カレーライス」を「洋風どんぶり」と呼んでいました。
では、カレーの本場インド人は、日本風「カレーライス」に対してどのような反応を見せたのでしょう。
『CoCo壱番屋』の「カレーライス」を食べたインド人は、それがカレーだとわからなかったとの噂。その位、インドのカレーと日本の「カレーライス」は別物だということでしょう。

銀座で誕生した「とんかつ」

「とんかつ」の“かつ”は、フランス料理で“骨つきの背肉”を意味する「コートレット」が「カツレツ」に転じたもの。これに“豚”(とん)を合わせて「とんかつ」になったと言われています。日本で作られるようになった当初は「ポークソテー」のようなものでしたが、銀座の『煉瓦亭(れんがてい)』が「天ぷら」をヒントに揚げるレシピを開発し、現在のような「とんかつ」が生まれました。
「カツレツ」の故郷フランスでは、日本の「とんかつ」をどう見ているのでしょうか。
フランスでは「とんかつ」を日本食と捉えているようです。調理方法が大きく違うので、「コートレット」が由来と言われても、フランス人はピンと来ないかも知れませんね。

日本三大洋食の一つ「コロッケ」

大正期には「カレーライス」・「とんかつ」と並んで、“日本三大洋食”の一つに数えられた「コロッケ」。ベシャメルソースの入ったフランス料理「クロケット」が「コロッケ」の由来と言われています。伝わってきたのは明治時代ですが、本来“じゃがいも”を使わない「クロケット」に、いつ誰が“じゃがいも”を入れたのか、という点は今でも謎に包まれており、諸説はあるもののはっきりとしたことは分かっていません。
「クロケット」とは大きく違う日本の「コロッケ」ですが、フランス人の口には合うのでしょうか。
じゃがいも食が根付いているフランス。日本流の「コロッケ」も大いに受け入れられているようです。
海外から日本に伝わった洋食は、長い歳月による独自の発展を経て、今では日本の食べ物として世界に紹介されているものが数多くあります。身近な料理でもルーツを知っているだけで、食べる楽しみが増えるかも知れませんね。