Topsankaku和食の素材sankaku獲れた地域で名前が違う?…
2017.01.13
獲れた地域で名前が違う? 食べる前に知っておきたい蟹の品種
甘味のある脚の肉と濃厚な蟹味噌で人気の「蟹」は、冬の代表的な味覚。一言で「蟹」と言っても様々な品種があり、味わいや風味も異なります。そこで、意外と知られていない品種ごとの「蟹」の特徴を紹介します。
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オスとメスでは別物「ズワイガニ」

主に日本海側で収穫される高級蟹。「ズワイガニ」は漢字で“頭矮蟹”、つまり“頭の小さい蟹”と書きます。オスとメスとではまったく別物とされ、一般的に「ズワイガニ」と呼ばれるのはオスです。
一方、「ズワイガニ」のメスは「コウバコガニ(香箱蟹・甲箱蟹)」と呼ばれます。
高級食材であるオスの「ズワイガニ」に対し、メスの「コウバコガニ」はサイズが小さく安価ですが、中に詰まった外子(卵)と内子(未熟成卵)、そして蟹味噌の風味は絶品。体が小さい分、ギュッと凝縮されたうま味が特徴です。
・「ズワイガニ」のブランド
上質な肉質を誇る「ズワイガニ」は広い地域で収穫されるため、漁場ごとにブランド化し、差別化が図られています。一般的に「松葉ガニ」や「越前ガニ」と呼ばれるものは、品種ではなくブランド蟹にあたります。
「松葉ガニ」も「越前ガニ」も品種としては「ズワイガニ」。さらに最近では、京都の間人港(たいざこう)で獲れた「松葉ガニ」は新たな地域ブランドとなり、「間人(たいざ)ガニ」と呼ばれるようになりました。

実はカニではない「タラバガニ」

“タラがいるような深い場所にいる”ことから名付けられた「タラバガニ」。味が良くてサイズも大きいため、「キングクラブ」とも呼ばれますが、実はこの「タラバガニ」、厳密に言うと蟹の仲間では無いと言われています。
「タラバガニ」は厳密にはヤドカリの仲間です。一般的なカニがカニ下目に属し、ハサミを含めて計10本の脚を持っているのに対し、「タラバガニ」はヤドカリ下目で、脚は計8本。実はもう2本、甲羅の内側に脚がありますが、それは移動目的ではなくエラを掃除するためのもの。さらに、左右だけでなく前後にも歩けることが「タラバガニ」の特徴として挙げられます。

長万部(おしゃまんべ)の名産「毛ガニ」

その名の通り、甲羅全体に毛が生えている「毛ガニ」。サイズは小ぶりですが、甘味の強い肉と繊細で上品な蟹味噌を持ち、人気があります。
今では「ズワイガニ」・「タラバガニ」と並ぶ高級品の「毛ガニ」ですが、戦後まもなくの頃は食糧難の克服に一役買ったこともありました。
北海道の内浦湾(うちうらわん)に面する長万部(おしゃまんべ)は「毛ガニ」の産地。沿岸の温泉から流れ込むミネラル成分のために、きめ細やかな繊維を持つ「毛ガニ」が育ちます。

根室限定「花咲ガニ」

水揚げ量が極めて少ない「花咲ガニ」。日本では北海道の根室にだけ生息していると言われており、鋭いトゲの下に脂が乗った濃厚な肉を持っています。
「花咲ガニ」という名前の由来は、茹でると甲羅が鮮やかな赤色になり、“花が咲いたよう”に見えるからという説があります。他にも、産地の根室半島が“花咲半島”と呼ばれていたからという説もあり、根室では名物の一つとして重宝されています。

【おまけ】カニのさばき方

家庭用のキッチンバサミでズワイガニをさばく方法を紹介します。
①胴体から脚を切り離す。
②脚の側面、両側に切り込みを入れる。
③刀を鞘から抜くようにそっと棒肉を引き抜く。
④肩肉は、脚の付け根からハサミを入れ、水平に切って二つに開く。
⑤爪の肉は脚の肉と同じ要領で取り出す。

多数のブランドを有する「ズワイガニ」や、キングクラブと呼ばれる「タラバガニ」、小さな体にうま味が詰まった「毛ガニ」、そして希少な「花咲ガニ」。それぞれの品種ごとの特徴が分かれば、蟹をより美味しく食べるために役立つかも知れません。